デフサッカーという世界

GCC(Good Company Club/グッドカンパニークラブ)

ドリームキャンドルを製造販売する株式会社田中務補商店(かねすけしょうてん)のたなかななです。

われわれの会社はドリームキャンドルのほかに、

靴に関わる事業も行っており、実はこの靴の部品製造の方がメイン事業であったりいたします。

2つの事業を今後も健全に続け

両利きの経営を実現させていくために、

商売のあり方・仕事への取り組み方・目標の立て方・お客様との向き合い方・社内共通言語の重要性等々、

もう一度「イチ」からの学びを進めています。

その一環として毎月一度参加しているのが

【GCC(ジーシーシー】と呼ばれる勉強会です。

この勉強会は、

あったらいいな!に圧倒するほど応えてくれるラッピング資材メーカーの

『株式会社ヘッズ(大阪市阿倍野区)』さんが主催している《ひとを大切にする経営》を学ぶ学習の場です。

ここでは、会社が働くひとたちを大切にすれば会社は自ずと伸びていく、という考えのもとに

《ひとを大切にする経営》を実行し成功に導いた経営者さんがパネラーとなって事例共有をしてくださいます。

実はこの勉強会に参加する以前よりわれわれは

ラッピング資材を株式会社ヘッズさんより仕入れており、

シーズンごとに送ってくださるカタログとニュースレターを眺めては

「素敵な会社だなぁ。こんな会社になりたいなぁ」という想いをいただいていた経緯がありました。

コロナが明けたタイミングで月例勉強会のご案内をいただき、

「絶対この会社から学びたい!」と思い参加した次第でありました。

さて、今月12月の勉強会では

経営側ではなく働く側を代表してある一人の青年がパネラーとなり、私たちにある事例を話してくださいました。

以前このブログでもご紹介させていただいた、

聴覚障がいをもつ方々がプレーするサッカーで日本代表として世界と戦う

堀井選手です。

(前回堀井選手について触れさせていただいたブログ「ギフトラッピングの拠り所へ泣き寝入り(?)」はコチラです)


ワールドカップ準優勝

みなさんご存知のサッカーワールドカップとは別に、

聴覚障がいをもつ選手たちが参加できるデフサッカーのワールドカップがあるということを

ご存知でしたか?

堀井くんはこのデフサッカーの日本代表として先日マレーシアで行われたワールドカップへ出場しました。

そこで彼ら率いる日本代表は銀メダルを獲得!

日本代表初メダルだったそうです。

一気に代表のレベルを底上げですね。

おめでとうございます!!

決勝トーナメント初戦のトルコは2大会覇者。

第二戦のフランスは優勝候補。

準決勝のエジプトはアフリカNo.1。

そして決勝で戦ったウクライナは世界ランキング1位。

戦いごたえのある各国代表たちと対戦し決勝まで進んだ経験は

彼らをより強く鍛えあげたことでしょう。

これからの活躍にも期待の気持ちが高まります!


堀井選手と聴覚障がい

堀井選手は生まれたときから感音性難聴をもっていました。

難聴は大きくわけて伝音性・感音性・混合性の3種類あるそうです。

伝音性は耳そのものの構造が原因で聞こえない(もしくは聞こえにくい)もの、

感音性は神経や脳の障害により聞こえない(聞こえにくい)もの、

混合性はその2つの性質を併せ持つものだそうです。

堀井選手の聴力は

飛行機のエンジン音や太鼓の音がちょっと聞こえるレベルだそうで、

高い音が聞こえないので女性の声を聞き取るのがちょっと苦手とおっしゃっていました。

堀井選手とサッカーとの出会いはテレビで見たサッカーの試合だったそうです。

しかし堀井選手は、耳が聞こえないことで仲間はずれにされた経験から

人とコミュ二ケーションをとることに恐怖を感じていたため、

いきなりサッカーではなくフットサルからスタートしました。

その後、学校教師をしていたお父さんより「障害だからといってできないことはない」と言われたことに勇気をもらい

サッカーに取り組むことになります。

高校は京都のサッカー強豪校へ進学。

サッカー部では130人近い部員が毎日厳しい練習に耐えながら高みを目指します。

耳に障がいのある堀井選手に特別な配慮があるわけではありません。

コートの中でのコミュニケーションが難しく、チームメイトから厳しい言葉がかかることもありました。

でも彼は、「これは自分の発信力が足りないせいだ」と受け止め、

辛いことがあっても人のせいにせず自分の力で乗り越えようとします。

走ることが好きな彼は、

早朝ランニングで気分転換をしていました。

そんな息子を応援するため、

毎朝4時に起きてお弁当を作ってくれた母。

そんな母に絶対に恩返ししなくては、という決意を胸にします。


デフサッカーへの転身

こうして青春時代をサッカーに明け暮れた日々でしたが

後にデフサッカーのフィールドに立つことになったきっかけは、

デフテニスの日本代表選手であった友人からの誘いでした。

それまで堀井選手は

健聴者の中でサッカーをすることで

「聞こえる自分でありたい」「障がいがあることを受け入れたくない」という思いを晴らしていました。

しかし、デフサッカーのフィールドでは

基本的に全員が補聴器を外してプレーします。

伝えたいことが伝えようにも伝えられないフィールド。

聞こえる自分である必要がないフィールドです。

耳が聞こえないから、指示や声が聞こえない。

気づいて動く世界です。

堀井選手はワールドカップ3日前にいきなりサイドバックからボランチへポジション替えを言い渡されますが、

適応力が強みの彼にとっては大きな問題にはなりません。

デフサッカーはそうした彼の強みが生かされる世界でした。


デフサッカーの課題

堀井選手が世界レベルで活躍するデフサッカーですが、

選手たちが直面するのが資金面での問題です。

オリンピックやパラリンピックと違い、

デフサッカーもデフリンピックも大会出場は全額自己負担だそうです。

各選手が約60万円を自身で支払って大会へ出場します。

また、メダルを獲得して日本スポーツ界に貢献したとしても、

報奨金はありません。

一方、今回優勝したウクライナの場合、

障害者スポーツは国が全額援助する制度があるそうです。

日本のデフスポーツ選手たちは

日々の練習に加えて、資金調達にも時間と労力を費やす必要があるのです。

そして、デフサッカーの試合会場には

応援するサポーターがほとんど見当たりません。

デフサポーツへの興味関心を高める認知活動が実際には行われていないのです。

そしてもうひとつ、

とてもベーシカルな問題なのが

聴覚障がいをもつ子どもたちがサッカーをする場所がないという問題です。

聾学校のサッカー部は次々に廃部していく一方で、

障がい者は健聴者のサッカー部に入部が認められない事例があるそうです。

堀井選手は嘆きます。

「このままでは

サッカーをしたいという障がい者の夢が中途半端で終わってしまう」

堀井選手の願い

大きな課題を抱えるデフサッカーの世界で、

堀井選手が叶えたい夢について私たちに語ってくれました。

デフサッカースクールを立ち上げたい。

残念ながら失われつつある

聴覚障がい児たちがサッカーをプレーする機会と場。

例え彼らがサッカーで活躍できる場が与えられたとしても、

自分で資金を調達し、

観客がいない中でプレーをしなくてはいけないという

寂しさや悔しさ。

自分が経験し苦しんできたからこそ、

未来を担う日本のデフサッカー選出たちに同じ思いをさせたくないのでしょう。

反対に、彼らには「大観客の中でピッチにたって日本代表としてプレーさせてあげたい」と

堀井選手は熱のこもった言葉を発します。

そのためにも彼は、

  • ワールドカップで優勝して知名度を上げる
  • スクールを立ち上げる

という夢を叶えようと真剣です。

私にできることは何か、と考えてみたときに、

小さな小さな力ではありますが、

  • デフサッカー日本代表を応援する
  • デフサッカーの活躍をブログを通して発信する

ことだと思い、

今回ブログでご紹介させていただきました。

もし、このブログを読んでデフサッカーに興味をもってくれる方がたった1人でも増えてくれたら嬉しい限りです。

そして、堀井選手、これからも応援しています!


最後に

大晦日の今日は2023年の最終日。

今年は私たちにとって「チャレンジの第一歩目」にあたる年でした。

ドリームキャンドルを抱えるドリームサプライ事業部では、

◉ホームページのリニューアル

◉海外販路開拓に着手

◉ブランディングに着手

◉クラウドファンディングに挑戦

◉ブログ・インスタグラム・メルマガなどの発信に着手

など、新しいことにチャレンジすることができました。

まだこれらほとんどが芽が出ていない状態ではありますが、

来年2024年は蒔いた種が芽を出すよう"育てることに力を入れていこう"と思います。

来年もぜひ、応援のほどよろしくお願い申し上げます。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

よいお年をお迎えくださいませ!

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